2014/05/24

『暴露:スノーデンが私に託したファイル』 書評/レビュー



約1年間に世界を揺るがしたエドワード・スノーデンによるNSA(アメリカ国家安全保障局)の機密資料の暴露について書かれた、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏の著書です。

発売されたことを発売日の3日後に知った私は、急いで本屋に駆け込んだのですが、
4店舗まわっても見つからず、最終的に東京駅の大きい丸善でようやく見つけました。
これは売れまくっているのか、そもそもあまり出荷していないのか・・・?


内容は5章構成

1、2章は、著者が当時香港にいたスノーデンから連絡を受け、実際に会いに行き、機密情報をガーディアン紙に公開するまでの話。
自分の人生をなげうってまでNSAの悪事を暴露しようとしたスノーデンと、それに共感し暴露を手助けする著者、そしてあまりの事の重大さに戸惑う新聞社。まるでサスペンス小説のような臨場感を感じられました。



3章は、NSA、はたまたアメリカ政府が「テロ対策」「国の安全の為」というお題目の元に行っている行き過ぎた監視の内容の数々を紹介。中には日本への監視、情報搾取の記述もあります。
また、多くの機密文書の内容も公開されており、あらゆる手を使って世界中を監視しようとしているNSAの考え方がありありと記述されています。
個人的には各IT企業のサーバや機器からの情報収集は衝撃的でした。
税関で輸出されるCiscoのNW機器の箱を一度開け、監視機器を取り付けて何事も無かったかのように梱包するという常軌を逸したNSAのこの行動にただただ驚かされました。

4章は、プライバシーとは何ぞやという著者による持論。
「監視されているという意識が人間らしい行動を制限する」という考え方を主張しています。
私は知られたくない情報はネットには上げないようにしているので、あまり気にしたことはなかったのですが、NSAの徹底ぶりの前では「ネットに上げない」程度では意味をなさないことがよくわかりました。

5章は、ジャーナリズムがもはや機能していないという話。
報道機関は「全てを白日のもとに晒す」ことが役目であるにも関わらず、政府の言いなりになって政府の都合の悪い報道はしない現状を嘆いています。
日本もそうですが、アメリカのマスコミもけっこう腐っているようです。



ネット社会に生きる現代人は当たり前のように無料のネットサービスを使い、当たり前のように個人情報をネット上に晒します。
そのくせ企業が個人情報を活用しようとすると文句を言います。(GoogleとかSuicaとか)
ただ、現実はそんな個人情報はNSAにすべて握られているのです。もう遅いのです。
1年前に連日報道されていたニュースもよりかなり詳しい情報が書かれていますので、一度読んで現状を知っておくべきだと思います。

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