2013/06/13

BABOKを勉強してみた

■BABOKって何ぞや・・・?

BABOKをご存知でしょうか?
主に情報システム開発の話題の中で出てくるワードです。

筆者は全く知らなかったのですが、会社でBABOKの研究会が行われることになり、
そのメンバーになってしまったので、とりあえず予習の為にこの本を読んで勉強しました。

BABOKの基本と業務 (仕組みが見えるゼロからわかる)



■BA活動

まずはBABOKの頭2文字BAの意味を説明します。

 BA = Business Analysis

情報システム開発の工程には
 要件定義や概要設計を行う「上流工程」
 詳細設計、実装、テストを行う「下流工程」
の2つに分けられます。

品質改善となると、下流工程では幾つか確立された手法が出てきています。(UMLなど)
それに対し、上流工程には効果的な手法は確立されていません。
というのも、上流工程はシステムだけでなく「業務」や「人間関係」なども深く関わっているため、
汎用的な手法を固めることが難しいのです。

ただし、システム開発の最終的な品質は上流工程の品質に大きく左右されることがデータとして表れています。
よくシステムを構築した後で、「こんなものは求めていない」とか「使えない」とか言われるのも
大抵が上流工程の要件定義の品質が悪いのが原因なんですね。
というわけで、上流工程の品質を上げるのは必須なのです。

そこでBAの登場です。
BA(Business Analysis)は開発側、ユーザ側間に生じる認識のズレを解消し、より根本的な「Why」「What」を追求し、共通認識を構築する活動です。「超上流」とも呼ばれます。
これによって上流工程の要件定義などの品質を上げ、最終的にシステムの品質を上げ、
「求めてたものができた」「使いやすい」などと言われるようになることを目指します。
なお、BAは情報システム開発だけでなく、様々なビジネスで活用できます。

そのBAを行っていく上で、実行すべき項目を体系化してまとめたものが

 BABOK = (Business Analysis Body of Knowledge)

です。
カナダのNPO法人、IIBA(International Institute of Business Analysis)が発刊しています。
日本支部のサイトでは日本語版のBABOKの購入が可能です。



■BABOKの構成

BABOKは【知識エリア】【タスク】【テクニック」で構成されています。

ここが少しややこしいのですが、簡単に言うと
BABOKでやるべきこと、必要なもののくくりが【知識エリア】で、
【知識エリア】の中の具体的なTO DOリストが【タスク】で、
【タスク】を実行するために必要な手法が【テクニック】です。

一例を上げると

テーマ <顧客の要求を整理する>
知識エリア : 6 要求アナリシス
タスク    : 6.2 要求を体系化する
テクニック  : 9.6 データフロー図

という感じです。
それぞれの数字はBABOKに記載されている章を表しています。

何となくわかりましたか?

章立てなどはWikipediaに載っていますのでそちらを参考にしてください。
またITproにも非常に参考になる特集がありました。


■BABOKの活用

このBABOKをうまく活用すれば情報システム開発の品質が向上します。
実際に海外では様々な業界で採用されており、国内でも採用が盛んになっています。

ただし、BABOKに書かれていることをそのままやればオールOKというわけではありません。
BABOKはあくまで普遍的な指標なので一定の抽象性があります。
また、インプットとアウトプットの前後関係が厳密に定められていません。
実際のプロジェクトそのまま当てはめるのは難しいです。

つまりBABOKを「プロセス」「マニュアル」のように扱うのではなく、
「お手本」「材料」として扱い、組織/プロジェクトごとに合わせた使い方をすべきだと個人的に思います。




これから研究会に参加し、良い活用法などが見つかったらまた投稿したいと思います。

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